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【看護学生】母性看護学 レポート①

こんにちは、びびです

今回は、周産期ケアについてのレポートを載せます。

 

看護観は変化していくもので、答えがないからこそ、自分の考えをまとめるのが難しいですよね。

 

引用・参考文献の載せ方は学校ごとにルールを決めていると思うので、注意してください。ワードからコピペしているので、読みにくい部分があると思いますが、読んでいただけたら嬉しいです。

 

参考までにどうぞ。

 

レポート「母体血胎児染色体検査を行った妊婦とその家族に対する支援」

はじめに

周産期ケアの講義で、母体血胎児染色体検査についての記事を読んだ。検査結果で陽性が出て、生まれながらの疾患を抱えているとわかっても、夫婦にとって念願の子どもを産みたいと思う気持ちは当然ある。しかし、疾患を抱えている子どもを、愛情をもって育てる自信がないという思いも抱くと考えられ、思い悩むと考えられる。倫理的な問題であることから答えはなく、十分な情報を元に妊婦とその家族で話し合い納得して決定していく必要がある。その過程で、看護師としてどのような支援が必要なのか疑問に生じた。

したがって、母体血胎児染色体検査を行った妊婦とその家族に対して、どのような支援が必要なのかを明らかにすることを目的とする。

本論

  1. 母体血胎児染色体検査について

 妊娠10週以降の早い時期に、妊婦の血液に含まれるDNA断片を解析し、胎児の3種類の染色体異常を高い精度で調べる検査。確定診断には羊水検査が必要となる。検出できる疾患は、ダウン症候群(21トリソミー症候群)18トリソミー症候群、13トリソミー症候群である。20134月、日本医学会が認定した15医療機関で臨床研究として始まった。受診できる妊婦は、出産時に35歳以上となる高齢妊娠で、染色体異常のある子どもの妊娠や出産歴などの条件がある。

  1. 遺伝カウンセリングについて

臨床研究では対象となる方に検査前後の遺伝カウンセリングを受けていただいている。遺伝カウンセリングとは、正確な情報提供・情報整理と、心理社会的支援が組み合わさって、患者、クライエントの自律的な決定を支援する医療行為である。日本医学会の「医療における遺伝学的検査・診断のガイドライン」(20112月)には、以下のように記載されている。『遺伝カウンセリングは、疾患の遺伝学的関与について、その医学的影響、心理学的影響および家族への影響を人々が理解し、それに適応していくことを助けるプロセスである。このプロセスには、疾患の発生および再発の可能性を評価するための家族歴および病歴の解釈、遺伝現象、検査、マネージメント、予防、資源および研究についての教育、インフォームド・チョイス(十分な情報を得た上での自律的選択)、およびリスクや状況への適応を促進するためのカウンセリング、などが含まれる。現在,わが国には、遺伝カウンセリング担当者を養成するものとして、医師を対象とした「臨床遺伝専門医制度」と非医師を対象とした「認定遺伝カウンセラー制度」があり、いずれも日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が共同で認定している. 遺伝カウンセリングに関する基礎知識・技能については、すべての医師が習得しておくことが望ましい。また、遺伝学的検査・診断を担当する医師および医療機関は、必要に応じて、専門家による遺伝カウンセリングを提供するか、または紹介する体制を整えておく必要がある』。

  1. 認定遺伝カウンセラーについて

認定遺伝カウンセラーは遺伝医療を必要としている患者や家族に適切な遺伝情報や社会の支援体勢等を含むさまざまな情報提供を行い、心理的、社会的サポ-トを通して当事者の自律的な意思決定を支援する保健医療・専門職である。認定遺伝カウンセラーは医療技術を提供したり、研究を行う立場とは一線を画し、独立した立場から患者を援助することが求められる。また、遺伝カウンセリングについて一定の実地修練を積んだ後に資格認定される専門職で、最新の遺伝医学の知識を持つ、専門的なカウンセリング技術を身につけている、倫理的・法的・社会的課題(Ethical-legal-social issues: ELSI)に対応できる、主治医や他の診療部門との協力関係(チーム)を構成・維持できるという4つの要件を満たす必要がある。

認定遺伝カウンセラーとなりうる基盤の職種としては看護師、保健師助産師などのメディカルスタッフや、臨床心理士社会福祉士、薬剤師、 栄養士、臨床検査技師などのコメディカル・スタッフ、また生物学・生化学などの遺伝医学研究者やその他の人文・社会福祉系などの専門職が考えられる。201612月現在、認定遺伝カウンセラーは205名いる。そのうち、北海道は3名である。

現在、信州大学大学院、北里大学大学院、お茶の水女子大学大学院、京都大学大学院、千葉大学大学院、近畿大学大学院、川崎医療福祉大学大学院、東京女子医科大学大学院、長崎大学大学院、東北大学大学院、藤田保健衛生大学院、札幌医科大学岩手医科大学大学院及び新潟大学大学院の14大学院が認定遺伝カウンセラー認定養成課程を開設している。これらの養成専門課程は、 日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が協力して制度化した「認定遺伝カウンセラー制度」の専門教育機関として認定され、修了者は認定試験に合格すると認定遺伝カウンセラーを呼称することができる。

  1. 現状

 北海道新聞3)の記事によると、平成2812月現在、母体血胎児染色体検査は日本医学会認定の全国78施設である。そのうち、73施設はNIPTコンソーシアム研究で、残り5施設は独立研究である。北海道では、北海道大学札幌医科大学付属病院、旭川医科大学病院の3施設である。

 道内の病院で受けた人は、20134月の導入後から3年間で計785人に上ることが、検査を実施する3病院への取材でわかった。検査対象は、他の検査で染色体異常が疑われたり、高齢妊娠の妊婦などで、道内の受験理由は「高齢妊娠」が約9割を占めた。このうち、染色体異常が確定した7人は、いずれも人工妊娠中絶を選んだ。全国では3年間で3615人が検査を受け、1.8%に当たる547人が陽性と判定された。羊水検査などで異常が確定した417人のうち94%に当たる394人が中絶、15人が妊娠継続を選択した。したがって、全国的に異常が確定した人の大半が中絶を選んでいる現状にある。

考察

出生前に検査をして障害があるとわかったために、中絶を選ぶということを容認してよいのだろうか。母体面からみると、「産む・産まないかは自分で決める」という権利をもっていると考えられるが、胎児面からは、「生まれる権利・生きる」という権利があると考えられる。私は、このような出生前診断を行い、先天性疾患が認められたために、中絶を選ぶかどうかというのはこの2つの権利の衝突だと考える。ダウン症を抱えていても、社会で活躍し、生き生きと暮らしている者はたくさんいる。したがって、先天性疾患を理由とした中絶を女性の自己決定の範囲に含めてよいのかという問題があると考えられる。

私はたとえ中絶を選択し、子どもは生まれることができなかったとしても、新しく生まれ変わってこの世に誕生すると考えている。生まれた後に、両親に愛されることなく、虐待されて育つことも考えられる。したがって、私は両親が「この子を産みたい・育てたい・愛していきたい」という自信ができてから産むという選択もあってよいのではないかと考える。私自身もこのような価値観を抱いているということを自覚することで、自分の価値観を押し付けずに、相手の価値観も尊重していきながら十分な情報提供を行い、考えていくプロセスを大切にしていくことができると考えられる。そのため、まずは医療者自身が自らの価値観を自覚していくことが重要である。

また、先天性の疾患が認められたから人口妊娠中絶を選択するという考えが優性思想とならないようにしていくことも必要だと考える、産むことを決めた親と子に対しても、継続的な支援を行っていき、「疾患を抱えていても、周囲に支援を受けながら、愛情を持って育てていくことができる」ということを社会に発信していくことが必要だと思う。

まとめ

 母体血胎児染色体検査により、異常が確定した人の大半が中絶を選んでいる現状にある。産むか、人工娠中絶を行うかの選択をしていく上で、胎児と妊婦のそれぞれの権利を巡った倫理的ジレンマが生じる。そのため、対象となる方に検査前後の遺伝カウンセリングが行われている。看護者として関わる上では、自分自身の価値観を自覚し、相手の価値観を尊重しながら、十分な情報提供を行い、選択に至るまでのプロセスを支えていくことが必要だと考える。また、選択した後も継続的な支援が必要だといえる。

引用・参考文献